第1章

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女はやれやれ…とため息をついた。 『王子様はすっかり海から助けたのは私だと思い込んでるけど…。 私は海岸に倒れていた所を拾って介護しただけ。 まぁ、そのお陰でかなりの玉の輿にのれたんだけどね…。 イケメンで身なりが良くなきゃ、ほおっておいたんだけど…。 これで私は今まで以上に何でも望みが叶う事は間違いないわ! それに、王子様は、もう私にメロメロだし…。 海での事は誰も知らないんだから、都合良く言えば…。 本人も気を失ってたって言ってたし…。』 女は笑みを浮かべ、倒れて乱れた身なりを整えて王子を待つ事にした。 「それにしても…嫌な空ね。 私、海の上は苦手なのよね。 泳げないから……。」 一方、王子は船長に先程の揺れの原因を聞いていた。
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