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女はやれやれ…とため息をついた。
『王子様はすっかり海から助けたのは私だと思い込んでるけど…。
私は海岸に倒れていた所を拾って介護しただけ。
まぁ、そのお陰でかなりの玉の輿にのれたんだけどね…。
イケメンで身なりが良くなきゃ、ほおっておいたんだけど…。
これで私は今まで以上に何でも望みが叶う事は間違いないわ!
それに、王子様は、もう私にメロメロだし…。
海での事は誰も知らないんだから、都合良く言えば…。
本人も気を失ってたって言ってたし…。』
女は笑みを浮かべ、倒れて乱れた身なりを整えて王子を待つ事にした。
「それにしても…嫌な空ね。
私、海の上は苦手なのよね。
泳げないから……。」
一方、王子は船長に先程の揺れの原因を聞いていた。
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