●落下傘●

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勢いよく音を立て、埃があたりを舞う 埃に少しむせながらも、今の状況を冷静に把握しようとする。 まず、だ。 この原因は何だろう、と後ろを振り向く (……影山くん?) 後ろに仰向けに倒れているのは、隣のクラスの影山波斗だ。 面識は無いが、かなり目立つ奴だから顔と名前だけは知っていた。 そんな影山が、上から落ちてきたのだ どうして、とか何で、とか二の次で、僕が次に思ったのは『脳震盪とかしてないか』だ。 そして『マットが破れていないか』『早くしまわなきゃ先生に怒られるなぁ』 なんて 影山の命の心配なんて全くしていなかった そっと影山の顔を伺うと、目を瞑っているが息はキチンとしているみたいだ 「よかった、第一発見者にならなくて」
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