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僕は今何処にいるのだろうか。
高熱にうなされているときみたいに頭がぼーっとする。頭にもやがかかったような感覚で何も考えがまとまらない。
規則的に揺られるうちに、自分が電車に乗っていることを思い出した。
「(そうか、帰ってきたんだ…)」
一際大きく揺れると電車が止まった。どうやら降りる駅に着いたようだ。
改札をくぐり地下から地上に出ると曇天の空が僕を迎えた。
見上げると立ち並んだ高層ビルが見える。
「一雨来そうだな」
視線を下にずらせば、スーツ姿の人々が忙しなく行き交っている。
その一人と肩がぶつかった。
後ろの方から舌打ちが聞こえたが、あいにく僕はそれの相手をする気にはなれなかった。
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