第一章

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巡回するバスに乗り込んでさらに都心を目指す。 帰宅ラッシュよりも時間が早いためか、 バスの中は空いていて座ることができた。 窓縁に肘を置いて眺めた風景は 数ヶ月前まで見ていた景色と変わらないはずなのに居心地は悪かった。 バスを降りてしばらく歩くと一つのビルを見つけた。少し背が低いことを除けば周りのものと変わりない。 その足元まで歩いていき、いつものようにカードキーを探そうとしたところで手を止めた。 「(電気が通ってるわけないな)」 その手で鍵を取り出し鍵穴に差し込む。 しかしドアを開けようとすると警告音がピーっと鳴った。予想外れ。
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