第一章

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どうやらまだ電気は止まっていないようだ。 誰かが悪い、というわけではないがなんとなく虫の居所が悪い。 とりあえずカードキーでロックを外して中に入る。 間取りはただのオフィスビルみたいで そこに赤茶色の四角の革のソファーも置いてある。 明かりもついてなく人もいないので、薄暗く少し気味悪いが 歩くのに支障はないのでそのまま奥に向かう。 ふと気になって案内板を指でなぞってみたが、ざらついた感触はなかった。 「(まったく物好きもいるものだ。 僕がここを離れてしばらく経つのに電気は止まっていないし埃も見当たらない。 誰かが定期的にメンテナンスしているのだろうな)」
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