プロローグ

2/11
前へ
/35ページ
次へ
彼女はまるでコマのように僕の前をくるくる回っていた。不規則にフラフラしてみたり、軸が左右に振れてみたり、 そして止まりそうになったら僕が回してあげる。 周りをみれば透き通ったような青い空に緑の草原、ではなく 少しそれにセピアがかった「田舎」の印象だが 活力はあり、風があればそこに緑が戻ってくる感じだ。 確かに青々しいまでの大自然は魅力的ではあるが、実際には不便な点も多いし 今まで都会にいた僕らにとっては、むしろこれぐらいの自然の方が合っている気がする。 なにより彼女の邪魔になっていないのだから、どうして文句があるのあろうか。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加