プロローグ

8/11
前へ
/35ページ
次へ
秋を過ぎてそろそろ冬の準備をする頃、 ミクリアの容態はだんだん芳しくない方向に下っていった。 もちろん体調にも波はあり、良いときは一人で外に出かけることができるのだが 悪いときは一日中寝たきりになることもあった。 こんなところに医者はいないのではっきりとはわからないが 次に発作が来れば危ない、と僕は覚悟していた。 そんな中でも彼女は毎日リンのところへ通い詰めた。 体調の優れない日は僕が車椅子を押していった日もある。 リンと一緒に三人で他愛も無い話をするのが 今の僕にできること全てだった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加