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周りが雪化粧したある日。
いつものように仕度をするミクリアに都会に帰ろうと伝えた。
僕は日に日に弱っていく彼女を見ていられなかったのかもしれないし、
彼女がいなくなるという現実に抗いたいのかもしれないし、
彼女のために何もできなかった自分への罪滅ぼしかもしれない。
そんなさまざまな感情が僕の中でぐちゃぐちゃになって
気が付いたときには、そう口から零れていた。
彼女は一瞬こそ驚いた顔を見せたが、すぐに元に戻って
じっと僕の顔を見つめた。
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