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「……、」
最近、布団の中に入ったとき、寒さを感じるようになった。
寒くなってきたからなのか、それとも冷え性にでもなったのか。毛布を深く被っても、何枚重ねても、寒くて寒くて仕方がないのだ。
そんなときに、頭を過るのはあの銀髪の坊やで。もう夜中なのだから、彼も流石に寝ているだろう。
「…寒ィ…」
カチ、カチ…と時計の音が延々と鳴る。そういえば明日(正式には今日)は朝が早かった筈だ。早く寝ないと疲れてしまう。
嗚呼、それでも布団の中が寒くて、寝付けない。携帯を側に寄せて薄暗い部屋の中開く。着信履歴も、メールもない。ああ、年を取るとこれだ。寂しくてたまらない。寒い。
震える指先で、メールを打とうか打つまいか迷い、メール画面を開いては何を書けば、と書いては消す。ただ、寂しい、とだけ言えれば、どれだけ楽か知れない。取り敢えず、起こしてしまっては悪いから、寝てるなら気にしなくて良い、と冒頭に書いておく。
もし、まだ起きていて、それで暇だったら、今家に来てほしい。
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