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「昔俺がガキだった頃、俺のじい様から聞いた話しだ。そのじい様も自分のじい様から聞いたらしいが。」
おっさんは苦笑しながら続けた。
「今みたいになる前の日本は平和でなぁ。国内で紛争一つなかったそうだ。」
「マジっすか!?」
勇吉が声をあげる。
確かに今じゃ考えられない話しだ。
「その日本にも憲法があり国民主権、平和主義、あともう一つの三大主義で成り立っていた。」
「今じゃ一つもあてはまりませんね。」
「ふっ、確かにな。」
海渡の返答におっさんが鼻で笑いながら答える。
「んで、三つ目はなんすか?」
勇吉が問う。そしておっさんは少し間を開けてから答えた。
「‥‥基本的人権の尊重。」
「きほんてきじんけんの‥‥、なんすか?」
勇吉が意味不明という顔をしている。海渡も正直よくわからなかった。そもそも基本的人権とはなんなのか?問い返すより先におっさんが答えた。
「簡単に言えば、個人の自由を大切にするって事だよ。」
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