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「何言ってんだ?お前。」
「だぁ~かぁ~らぁ~、俺らでそれを実行するんだよ。おっさん一人じゃ、あんなでっかい思想できないだろぅ?」
もう根本的な所から違う。
だが理由はどうあれ海渡も外には出たかったし、勇吉も外に出たことはなかった。チャンスも一緒に考えを共にしてる人がいた方が心強いし、全員が寝静まってる夜しかない。まさに今がGood Timingだ。
しかし‥‥。
「入口謙出口は一つしかないし、毎時間交代で見張りがついてる。よほどの事がないと‥‥」
「俺を誰だと思ってる?」
海渡の意見を言い終わるより早く勇吉が制す。
「この基地実は戦時中に造られた基地らしくてな。今は使われてないような外に通じる道はいくらでもあるんさぁ。見付けんのに苦労したよ。」
海渡は胸が高鳴った。
外にでることは大人から止められてたし、まだ外に出れると決まった訳でわない。それに危険があるかもしれない。そのほかにも沢山の不純要素がある。
しかし、外に出られる。こんな気持ち久しぶりだ!
「行くか?行かないのか?早く決めないと周りに気付かれるぞ?」
海渡は自分の理性をきかせようとした。が、
(やっぱり欲望には負けちゃうな。)
自分の中でそう呟き、内心苦笑しながら、小さな声でしかし強く答えた。
「‥‥行くよ!」
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