序章

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大人は皆、 「何で、こんな事に‥‥。」 「あの時、あぁしてれば。」 何てよく言うけど僕はそうは思わない。 産まれた時から世界はこんなんだったし、あの戦争を経験した訳でもなけりゃ、ましてや僕は戦争以前の世界を知りもしないんだ。 確かに食料は少ないし、寝る所だって奪い合うこの世界は決して良いものではない。 だからと言って、自分に何ができるのだ?どうしろというのだ? 大人達は皆 「世界を変えるためだ!」 と言ってあの巨大な化け物に乗って行ってしまう。僕の両親もそうだった。 だけど、世界は変わらない。何一つ。 僕はああにはならない。命を無駄になんかするもんか。 そう思っていた。あのトキまでは‥‥。
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