自由

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「しかし、お前さんもよくやるよぁ。」 一通りの着替えと、手洗いなどをすませ、食堂で遅い昼食に手をつけていると仕事仲間の本郷 勇吉(ほんごう ゆうき)が言った。 勇吉は昔からの友達で3歳年上だが、同年代のようにお互い接している。 「‥‥何が?」 口の中の物を飲みこんでから問い返す。今日も量がすくないなと内心呟きながら。 「何って、お前。お前ぐらいの年でそんなに機械詳しい奴はそうそういないぜ?」 「そうかな?」 「あぁ。俺が保証する。」 確かに海渡は16歳という若さでは機械に詳し過ぎるといっていい。通信機器などの使用の他に、基地にある兵器の弾薬の詰め替え、OSの書き換えまでやってのけてしまうのだ。 昔に、親と一緒に格納庫を見てまわったり、武器の説明書を絵本がわりにしていたからという理由からだろう。今でもそれらの兵器などについては、勉強を怠らない。
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