155人が本棚に入れています
本棚に追加
「しかし、こんな日々がいつまで続くんだろうな?」
昼食を食べ終わった勇吉が口に爪楊枝をくわえながら呟く。
「知らないよ。」
と、気のない返答をしてみたが、海渡もたまに考える事だ。
「第一、俺らは何のために戦っているんだろうな?政府に従っていれば最低限の命の保障はしてくれるし、量は少ないけど、毎食食わしてくれるんだろ?ここより医療設備もととのってるし。」
「それは‥‥。」
今まで考えてもみなかったが、確かにそうだ。昔から政府、いや国は弱き者を弾圧していく。
そう思っていたが、それが嫌なら多少の苦はあるだろうが、投降してしまえばいいのだ。
「自由のためだ。」
不意に頭上で声がした。
「「あっ‥‥」」
突然の第三者による返答に海渡と勇吉は同時に声を漏らした。
「自由のために俺達は戦うんだ。」
最初のコメントを投稿しよう!