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「セ、セイト……ごめんね」
君の泣きじゃくりながら放つ言葉が心の奥に突き刺さった感じがした。
君が死のうとした動機は分からない。
何故、君が死ななければならなかったのかも分からない。君の数々の言動の中にその理由が潜んでいたのかも、今になってはそれを知ることすらできなくなってしまった。
ただ、気がつけば、俺の目の前で、地に横たわりながらも必死に謝る君がいた。
赤く染まった君の頬を見つめる。血だけではなく、無数の砂と長い髪の毛が纏わりついていた。
どうしてこうなってしまったのか?いくら自分に問いかけをしてもその答えを刻んだ記憶は頭の中にには存在しなかった。
微笑、理由付けの時は過ぎ、いまはその場に居てしまったことを惜しんでしまっている。
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