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「ティティア……早く家に戻ろう。手当てもしないといけないし、それより、みんなが心配してる」
「うん……私も帰りたい。早くみんなに会いたい。でも、足が動かないよ」
君の声は、言葉を発する度にかすれていくのを俺の耳だけが感じた。
「大丈夫だ。俺が連れて行ってやるから」
君の冷たくなった身体を抱き上げると、以前は重く感じたティティアの身体がいまはなぜかすごく軽く感じた。
ふと、俺の目に熱く流れるものを感じた。
涙だった、どうして今になって流れるのだろう。
君の笑う姿が閉じた目の中ではっきりと見えたからだ。
こう理由を見つけるのは簡単なことだった。ほとんど毎日を君と過ごした、俺や”ヴェスリボシス(反逆の意識)”のみんなは君の笑った顔しか見たことがなかった。
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