ココア

2/13
1049人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
   「和也…」  「ん?」 寝る前の一時 俺も仁も思い思いの時間を過ごしていた…はず  「和也、俺達少し距離を      置かないか?」  「?…距離って?」 何を言いたいのか分からずただ仁の顔を見つめれば 切なそうな顔した仁が  「…別れよう」 今何て言ったの? 俺の耳変になったのかな? 聞こえるはずのない音…言葉が今聞こえた気がする  「ごめん、言ってる    意味が分からない」 ソファーから立ち上がり 仁の座る椅子にゆっくり近づき  「仁?」 名前を呼び、手を伸ばし肩に触れたら その手を取り、ぎゅっと握られ  「俺達別れよう」 何で? 何でそんな事言うの? さつきまで普通に楽しい時間過ごしていたよね? 喧嘩なんかしてないよね? 問い詰める言葉が出る前に涙が零れた  「泣かないで」 悲しげな声で慰める仁 だったら泣かすような事言うなよ  「なんで?俺何かした?  それとも他に好きな人  出来た?」 ぼやける視野の中で懸命に仁の表情を読み取ろうと 覗き込むと 俯いてしまう仁 . 
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!