ココア

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   「昨日泣いてただろう?」 俯いた仁が発した言葉 確かに昨日夜俺は泣いた でも仁は寝てたはず だって、仁の寝顔見てたら淋しくなって…  「泣いてない」  「和也…」 さっきよりも悲しげな声で俺の名を呼び  「別れよう」 悲しい言葉を呟く  「何で?何で俺が  泣いてたぐらいで  別れなきゃいけないの?  本当は違う理由  あるんじゃないの?」 問い詰めた  泣きながら問い詰めたのに  「………」 俯いたまま何も言わない仁  「本当の事言えよ  他に好きな奴出来たん  だろ?  もう俺の事好きじゃない  んだろ?  邪魔なんだろ?」 問い詰めているのに答えを聞くのが怖くって逃げ出した俺 マンションを出て、走り着いた場所は2人の思い出の公園 どうして仁が急に別れ話をしたかまったく分からない これから離れて暮らす時間が増え 会いたい時にすぐ会えない状況になるから 穏やかな仁の寝顔を見てたら 淋しくなって 心細くなって 今まで以上に愛しさが込み上げて 泣いてしまった . 
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