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その瞬間目が覚めた。
生温かい血が顔の左側を染める。
ブチブチという筋肉の裂ける音。
俺は慌てて噛みついていた男の喉元から離れた。
やってしまった。
深夜1時の大学。
提出期限ぎりぎりに迫ったレポートを提出しに教授の研究室に入った矢先、男に壁に押しつけられた。
前から嫌だった。
もはや教授にも人にも見えない只の色魔に怒りを覚えた俺は一瞬我を忘れ、気がつくと男を殺していた。
男の眼球は揺れ、体を痙攣させて倒れた。
無意識に相手の腕に血が滲むほど食い込ませた爪。
部屋中に噎せかえる鉄の臭い。
肩上まで伸び晒しの髪が血塗れになった。
感情が一定を越え昂ると極端に理性がなくなる。
これは病気だ。
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