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一種の人格障害で、もうずっと長いこと苛まれている。
けれどこれほどの惨事を引き起こしたのはこれが初めてだ。
真っ白になった頭で考えることができたのはまず逃げることだった。
幸い、研究室には他に誰もいないし、ここに来るまでに誰にも会わなかった。
それでも見られることをただ恐れ、竦む足で研究室を飛び出た。
とりあえず建物を出ようと階段を降り、コンクリートの廊下を息を切らして走る。
人を殺してしまった。
そのことだけを頭のなかで何度も反芻してしまい、冷静になれない。
窮まりきった頭で捉えてしまったのはちょうど非常灯の不気味な緑の光の下の人影。
顔を見られることだけは避けなければいけないと思った。
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