Navigation01 心の穴

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アリシアが引退し、ARIAカンパニーは灯里とアリア社長のみ。 今日も静かに朝を迎える。 外ではすずめがチュンチュンとないて灯里に朝の訪れを知らせてくれる。 灯里は寝起きぽーっとしていた。 「おはようございます…アリア社長。」 「ぷいにゅ~」 「今日も頑張りましょうか!」 パジャマから制服に着替えてオフィスへ向かう。 いつもの日課のシャッター開け。 ガラガラとシャッターを開けると今日もいい天気、太陽の日差しが眩しい。 「さてと…」 灯里は台所にむかい朝食をつくりはじめるつい最近までアリシアとつくっていた朝食 「………」 灯里がふと横を見てももうアリシアはいない。 「アリア社長~、朝ごはん出来ましたよ」 「ぷいにゅ~!」 アリア社長は灯里が作ったご飯を一心不乱に食べている。 「美味しいですか?」 「ぷい!」 今日も灯里の料理を気に入ったようだ。 食事の時もARIAカンパニーは静か。 食器の音だけが響く。 「…ふぅ」 食事を終えて今日の予定を確認。 今日の予約は2件。 午前と午後で一件の予定となっていた。 すると電話が鳴った。 「はい…お電話ありがとうございます。ARIAカンパニーです。」 電話は予約の電話だった。 「それではお待ちしております…」 予定表に今日の追加された予定を書き込むアリシアの時より少ない予約数。 「…はぁ」 何故だろう、最近溜め息が多い気がする。心にポッカリ穴が開いたような。 「こんにちは~」 どうやらお客様が来たようだ。 「さぁ…行きましょうか、アリア社長」 お客様をゴンドラに乗せる 「お手をどうぞ…足下にお気をつけ下さい」 今日もいつものように変わった観光案内を行う。 最近灯里の変わった観光案内が人気になって来ていた。 観光案内が終わり帰り際に観光客が言ってくれる 「灯里さんのゴンドラに乗れてよかった」 この言葉が何より嬉しかった。
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