君は少しも悪くない

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「‥いーよ」 そう言って微笑んだ彼は、美術館に飾られたっておかしくないほど美しくて、妖艶だった。 そのまま、受け入れるべきではない場所に彼を銜え込み 彼の哀しみと俺の心の痛みを掻き消したくて、必死に腰を振った 前戯だけでも何度も逝かされたというのに、繋がってからもまだ、白濁をはき散らすことのできる浅ましい身体にほとほと嫌気がさす。 耳を舐められて 首筋を噛まれて 突起を摘まれて もはや逝くことすら辛くなってきた俺に対して、彼はまだ一度も出していない それでもまだ止まない動きと彼の渇いた欲望。 ぶっ飛びそうな意識の中、うっすらと目を開ければ哀しそうな、泣き出しそうな目をした彼 (そんな目、しないで) また、貴方の弱った心に付け込みたくなってしまう。 真正面に位置する彼の唇 またしても俺は勝手に泣きそうな彼に心を締め付けられて自ら口付けをしてしまった 俺のものではないというのに 驚いたみたいだけどすぐに舌を絡めとられ、巧みに弄ばれて翻弄される 上でも下でも繋がって このまま溶けて一つになりたいなんて思ってるのはきっと俺だけなんだろうけど、 ‥これが最後の貴方の温もりだと心に決めた俺には堪らなく貴方の一部になりたい そうすれば、貴方の一番そばにいられるから 最奥を思い切り突かれた俺は薄れゆく意識の中で貴方を想った      ア イ シ テ ル 「ーッ、マオ…」 呟かれた君の本音と 内部に放たれた熱を感じながら俺は意識を手放した -
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