その指、あげる

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喉の渇くしょっぱい味、 手に着いた粉を舐めた 「………しょっぱ」 ぼそっと呟けば、コレの持ち主は 「えぇーっ?このしょっぱさがヤミツキなんじゃん」 「…からだに、わるそ」 子供っぽい返事に ふふって笑ってしまった リングの形をしたしょっぱいお菓子を、もひとつつまんでみる かりっ さくさく 「………しょぺぇ」 「だったら食わなきゃいーじゃんっ」 何が楽しいのか全然わかんねーけど なんか可笑しくて、二人でクスクス笑いあってたら がちゃり (あ、‥) 彼が、来た。 「こーくんおかえり」 鼻にかかったような甘い声色で 彼が素敵だと、癒されると褒めるふにゃりとした笑顔で笑いかける 「…ただいま、てか何やってんの?」 案の定、 彼は愛おしそうに俺に微笑んで(やっぱいけめん)すっ と自然に俺の隣に座った 「あ、こーちゃんも食べよー!リーダー嫌いなんだってー」 「…つか相澤ちゃん次だから行っといでって」 「え、マジっ!?じゃあそれもー二人にあげるっ!」 ばたばた ばたばた (相澤ちゃんいるとなんつーか、空気がにぎやか) ぼーっと考えていたら何時の間にか二人きりで 「コレ、嫌いなんだ?」 「ふん、」 「ふふ…今のは肯定?否定?」 「きらいじゃないけど、しょっぱいの」 「しょっぱいのが嫌いなの?」 「、うんう」 「?でも、貴方コレ好きじゃなさそう」 「…、のど」 「喉?……あー、渇くのやなんだ?」 「ふん、」 彼と喋るのは、好きだ あんま言わなくても 彼はするっと俺の言いたい事、わかってくれるから 伝わってるよ、って 微笑んでくれるから -
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