プロローグ

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2人はメニューを見て、純はミックスピザを、水月はカルボナーラを注文した。 純が注文をウェイターに伝える。 ウェイターは定番通り注文を繰り返し、メニューを回収し奥へ消えた。 今ウェイターは厨房に注文を伝えに行っているのだろう。 「食事の時間で本当に楽しいのは、出来上がるのを待つ時間」というが、どうも自分の性に合わないな。 純は待つのがあまり好きではない。 だからいつも携帯をいじったりするのだが、そのせいで水月に「ちょっとぐらい待てないの?」とダメ出しを食らったりしている。 直そうとしているのだが、これが中々直らない。 という訳で、純は今も現在進行形で携帯をいじっている。 今やっているのは昔懐かしのテトリス。 これが中々面白い。 ついつい夢中になってしまう。 そうはいっても純が自分の動体視力を駆使すれば、最高速度でプレイしてもいとも容易くクリアしてしまう。 水月は最近、純は言っても聞かない性格だと理解した様で、何も言って来なくなった。 嬉しいのだが、それはそれでどことなく寂しい。 やはり、会話はあった方がいいだろう。 純は携帯を閉じ、気恥ずかしそうに口を開いた。 「なあ、水月。やっぱり何か喋らない?」
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