プロローグ

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「いつもは1人で遊んでるのに」 水月は純にそっぽを向きながら言った。 その言葉にはどこか皮肉の表現が含まれているのが純には解る。 いつも自分が好き勝手にやっているのが原因である。 ここは一応誤っておくべきであろう、と純は頭を下げながら水月に謝罪の言葉を送った。 「純は自分勝手だね。そんなだと嫌われるよ。」 「スマン」 純はまた頭を下げる。 自分勝手か・・。 解っているんだけどな。 「でも私は純の事が大好きだよ。自分勝手は純の個性だからね。それが無くなっちゃったら純じゃなくなっちゃうよ」 水月がテーブルに手を突き、そこに頭を乗せて笑いかける。 それならそっぽを向いたりするな! と純は思ったが、口に出さない事にする。 喧嘩になると思ったからだ。 純も人並みに他人に嫌われたくない、という感情は持っている。 その時「お待たせしました」という声。 そう言って今の空間を裂いたのは料理を両手に持ち、運んで来たウェイター。 料理はお客の右側から置くのが暗黙のルールらしい。 確かにその通りにウェイターは料理をそれぞれの場所に置いた。 注文通り、純の前にはミックスピザを、水月の前にはカルボナーラが並ぶ。 どちらも湯気が立ち、とても美味しそうな雰囲気が漂っている。
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