人魚姫

4/22
前へ
/24ページ
次へ
  振り返る。 そこにいたのは一人の青年だった。 「誰だ、おまえ」 「僕は彗。この国の王子。君は?」 「わたしは、…」 その男の綺麗な、汚れのない笑顔に見惚れてしまった。風に靡く金色の髪は、空に輝く丸い、月というものに似ていた。 「わたしは、……リリ、だ」 この感情は、初めてだった。ふとあの人魚姫のことを考える。 「わっわたしは恋はしないぞ!!」 「?どうしたのいきなり」  
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加