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少年は今、下へ下へと落ちている最中である。なぜ下へ落ちているかと言うと、
空にいるからである。
「なんでこんなところにいるんだ~!」
少年はそのまま下へ落ちていると、真下に桜の木が見えた。少年は落ちながら何かを考えた後、腰につけていた刀を鞘から抜き、横に振った。すると、刀から光る何かが出てきた。光る何かを出した反動で、少年は横に少し動き、桜の木にぶつかることはなくなったが、体制を崩してしまい、背中から地面に落ちてしまった。
「いって~、背中から落ちちまったよ。・・・・・・って、ここはどこなんだ?」
少年はあたりを見渡した。周りの景色からここが家の中であることが分かった。和風な感じの家の中にはところどころに白い玉のようなものふよふよと浮いていた。少年はさらにあたりを見渡すと、先ほど、落ちているときに真下に見えた桜の木が横にあることに気づいた。
創「・・・・・・きれいだな。この桜は」
少年は起き上がり、桜の木を見つめていると、
{助けて・・・・・・}
「! ・・・・・・またかよ!」
少年はいきなり頭を抱えると一人ごとのようなことを呟きだした。
{助けて・・・・・・私はここよ}
「誰だ! どこにいる!」
{お願い。・・・・・・を助けて}
「なぜ俺をここに呼んだ!」
少年は桜の木の近くで、誰もいない中で何かを叫んでいた。すると、
{お願い。・・・・・この}
「あなた! こんなところで何をしているんです!?」
「声が消えた? えっと?」
突然、誰かの声が聞こえたと思ったら、二本の刀を背中に背負った真面目そうな少女が少年に向かって叫んだ。少年は何かを呟いた後、少女の方を向き、弁解の言葉を述べようとしたが、
「どうやって白玉楼に侵入してきたんですか!排除させていただきます!」
少女は聞く耳を持たず、少年に向けて刀を鞘から抜くと、少年に向かって斬りかかった。
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