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とある日の夜勤。
その日も状態の思わしくない患者さんがいた。
自分の担当ではなかったが同じ大部屋の患者さんを看ており、その患者さんの部屋へはちょくちょく訪室する機会があった。
その部屋は詰所から近く、詰所で仕事をしていても部屋が見える。
夜勤が始まってすぐ、部屋の前や詰所の周りを通りすぎる影を何回か見た。
通りすぎる影や誰も乗っていないエレベーターが開いたりする事はよくあることだったため、さほど気にも止めていなかったが、検温に部屋を訪室した時、室内を誰かがうろついているように感じた。
"もしかして…"
と思ったが口に出して事実になるのが嫌だったため、あえて誰にも言わなかった。
数時間後…やっぱり状態の悪かった患者さんが亡くなった。
病気で話すことも、表情で意思を伝える事もできない寝たきり状態であったが、入院期間も長かったため亡くなった事を悲しく思いながら、
詰所の周りをウロウロしていたのはその患者さんだったのかもしれない…と心に感じた。
病院を立つお見送りの時間。
私は担当ではなかったし病棟を空にするわけにはいかないので1人残り廊下に居た時の事…
"ガタガタガタ"
と扉が揺れ、吹くはずもない風が私の立っている廊下を通りすぎていった。
一瞬何が起きたのか解らず頭の中が
"…???"
になり、ようやく状況を理解し恐怖を感じた瞬間!
"バタン!!"
扉があいた。
"・・・・・!!"
目が点!になっていた私の前に現れたのは………
お見送りから帰ってきたスタッフだった。
ついさっき起きた事を話、皆で恐怖した。
それ以後、通りすぎていく影を見る事はなかった。
と…言いたい所だが、風呂場の前を通りかかった時、目の前を白い玉(オーブ?)が
"ビュン"
と通りすぎていった…。
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