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店の廊下、16と書かれた扉の前で身を屈める3人の男達は、部屋の様子を伺いながら悩んでいた。
「こっからじゃ見えないっス」
「橋本邪魔だコラ!」
「……ホントに兄貴にそんな事ってあるのか?」
いまいち二人の話しを信用できない相沢は、少し情けない声を出して一点を見つめる。
「俺ら見たんですよ……」
「そりゃ俺だって見間違いだと思いたいけど……」
相沢よりさらに情けない声を出す二人は、眉をハの字に曲げて相沢に懇願する。
「相沢さん確認してきて下さいよ!」
「んでリーダーにぜひ教えて差し上げて下さいっ!」
膝をつき、祈るようなポーズで二人に詰め寄られた相沢は、ポケットに入れた財布に繋がったチェーンを指でなぞりながら上を向いた。
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