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綺麗だ、とさえ思えてしまった。 舞い上がった赤が舞い散る様は赤い花がパッと咲いたようで。 暗闇だというのにそれは鮮明で華麗で。 そう思うのはどこが神経が麻痺しているからだろうか。 「口ほどにもねえじゃねえか!!」 浪人の懐に踏み込んだ新見という名の男は刀を浪人の胸に突き立て、抜くと同時にその体を後ろに蹴った。 ぐぅっ、と低い呻き声が金属音の合間に聞きながら、新見は横から突き出された刀をひらりと避けると、刀を振り下ろして肉と骨を絶つ感触を味わう。 ごとり。 嫌な音をたてて落ちたのは、刀の柄を握ったままの両手。 「うわああああ!?」 切断面から血が溢れ出し飛び散り、あまりの激痛と信じられない光景に悲鳴があがったが、それは次の瞬間にはーー途絶えた。 「ひっ!!」 女は口を両手で押さえる。 見てしまった。 人の首が落ちるのを。 見てしまった。 人の首が地面を転がるのを。 恐怖から震えが生じ、立っていられなくて地面に尻から座り込む。 それでも目を塞げないのは、何故か。 恐怖からか。魅入ったからか。 それともーー。
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