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ただルーイの怪我がひどく、ジェイも寝込んでいた為、初めはアイが全てを取り仕切っていた。
ジェイが動けるようになってからは、ジェイが仕切る。しかし、先の戦いで憔悴しきったジェイはどこか奮わなかった。
アイはそれに苛々していた。気持ちはわかるが、今は重要な時期だ。
ジェイを探してアイは集落を歩き回っていた。
「まったく、今が肝心だってのに!」
ジェイはすぐ見つかった。すぐ見つかるところにはいてくれる。広場の外れ、木陰にぼんやりと座っていた。視線の先にはエフがいた。
エフがぱたぱたと駆け回り、食事を配って回っている。
「気になりますか、あれ」
そういってアイがそばに立つと、ジェイはぼんやりと顔を上げた。アイを見上げ、ジェイはまた視線を戻す。
「……何かあったか?」
アイの問には答えず、ジェイが聞いてきた。その態度に、アイはカチンときた。
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