12/15
前へ
/35ページ
次へ
ただルーイの怪我がひどく、ジェイも寝込んでいた為、初めはアイが全てを取り仕切っていた。 ジェイが動けるようになってからは、ジェイが仕切る。しかし、先の戦いで憔悴しきったジェイはどこか奮わなかった。 アイはそれに苛々していた。気持ちはわかるが、今は重要な時期だ。 ジェイを探してアイは集落を歩き回っていた。 「まったく、今が肝心だってのに!」 ジェイはすぐ見つかった。すぐ見つかるところにはいてくれる。広場の外れ、木陰にぼんやりと座っていた。視線の先にはエフがいた。 エフがぱたぱたと駆け回り、食事を配って回っている。 「気になりますか、あれ」  そういってアイがそばに立つと、ジェイはぼんやりと顔を上げた。アイを見上げ、ジェイはまた視線を戻す。 「……何かあったか?」 アイの問には答えず、ジェイが聞いてきた。その態度に、アイはカチンときた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加