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************ エフはジェイの部屋から飛び出して外へ出、外の空気を胸一杯に吸い込んだ。 まだドキドキと心臓が波打つ。 確かに一番融通を利かせてくれるジェイに頼っていた。 ルーイに直接何か言ったりしたり出来なくて、いつもジェイの目につくように動いていた。 いつか言われた通りだ。 ルーイを前にすると漂ってしまう気まずい空気を、振り払ってくれたのはいつもジェイだった。 けれどまさか、求められるとは思わなかった。 欲のために体だけ求められた方がまだ良かった。 まだ楽だった。 ジェイの気持ちに、応えられない。 どうしても、できないと思った。 (やだって言っちゃった…) 自分の言った言葉が今になって胸にぐさりとささった。きしむ胸を押さえているところへ、背後から声をかけられた。 「エフ、ジェイの具合は?」 アイだった。 手桶を片手に、無表情に立っていた。彼もルーイの手当てを終えて出てきたところらしい。 「あ、ああ、傷はおちついてきてる。まだ気持ちの整理はつかないみたいだけど……無理もないよね……」 ちらりとアイが手桶と一緒に持っているタオルを見た。血に染まった布が入っていた。  
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