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この子は、好んでオレとつるむのか。たまたま?おじさん好き?いやいや、そんな子ではない。などと、色々なことを考えたこともあった。
しかし、考える必要もないくらい無垢な笑みを浮かべる。本当は最近の楽しみ?生きがい?そんなものを、あの子にかんじているのかもしれない。
「佐久さん、鍋しよう。ね?大将。」
「どうも、どうも。美保ちゃんがいると、忙しいねぇ。いいことだ、いいことだ。」
この子は、いくつだろう。今日はオレの日だが。
聞くわけにもいかないよな。どう考えても、20代。大将に目で聞いてみる。カウンター越しに下を向きながら料理を作る大将に届くのか。
数分後、よし。
すると。
はいはい、という表情で大将が理解したようだ。
「そういえば美保ちゃんは、いつなの誕生日?」
さすがは大将。商売柄、オレとは違う。
ちょうど手洗いに席に立った時だった。
頬に手を当てしばらく考えた顔をし。
「そうだ覚えやすい数字ですよ。私の誕生日は。」
そう言い残し、あの子は手洗い場に。覚えやすい日か。オレも八月八日と覚えやすいがなぁ。
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