8人が本棚に入れています
本棚に追加
夜を感じて
今はこの夜を感じる。
いつもは明日ばかりを考え、そして、未来ばかりを、周りばかりを意識していた。今は、やっといい感じになったのかな。
この街に来てからは、何回目だろう。
今日はとても気分がいい。
少しばかりか、街の感じもかわりつつあるな。
いつのまにか、大きなシネマコンプレックスが中心となり、周りの景色は静かにその幕を閉じている。
ここも押し流されている。
しかし、誰にも流れを掌握しきれないものだ。
流れとは、人間並みに厄介な生き物だ。
オレも流れてきた。
しかし、自分の形式は変えることはなかった。
正の成果が、今の地位。そして、負の成果は仕事に生きてしまったこと。
お金には興味はない。ある程度あれば生きていけるのがこの社会だ。
欲を持てば、欲に制せられる。
力を持てば、力となる。
社の力は小さな国の経済力をも勝る。オレもその重役たるものとなった。大きなプロジェクト。異端児的発想。皮肉、賞賛。様々なものに飲まれ、研磨された。
人生に不足感がないということはありえない。
どこかで、欲が人を動かす。
しかし、今に幸福を感じることが人間の力点になりえるだろう。オレには仕事。これだ。これしかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!