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相変わらず 流れる外の景色に目を向けてる あいつに 声を掛けた。
「…疲れたのか?」
「大丈夫…」
隣りに座る俺に 目を向けず そのままの姿勢で一言 呟くだけ。
「何か あった?」
「………………別に」
少し間をあけて 返された返事。
「ケ‥」
「ねぇねぇ、ヒョン!? 僕 今夜 宿舎に泊まっていい?」
素っ気ない あいつの名前を呼ぼうとした時 後ろに座る マンネが 嬉しそうに話し掛けて来た。
「えっ!? 宿舎に泊まるのは いいけど お前 明日 学校は?」
後ろに座るマンネに顔を向けながら視線を あいつに向ける。
本当に どうしたんだ?
俺には言えない事で 悩んでるのか?
俺じゃあ お前の 悩み事を 消す事が出来ないのかよ…
悔しさと淋しさが入り混じった気持ちで 窓の外を眺める あいつに 視線を注ぐ。
外を見つめる あいつの顔は 今にも泣き出しそうで、唇を ぎゅっと噛み締めていた。
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