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…俺とメイドが出会ったのは、雨の降る午後だった。
大学からアパートに戻る、帰路の途中。
電柱の横に、何やら
『誰か 拾ってくださいwww』
と書かれた張り紙の貼ってある、大きな段ボール箱が置いてあった。
よく見ると
「うわ…」
段ボール箱の中で
ツインテールのメイドが体育座りをして泣いていた。
「…お前…何?
こんな所で何してんの?」
俺がそう問うと、メイドは
「グスッ…わたし、前のご主人しゃまに捨てられてしまったのでしゅ。
面倒臭がりで、いつも眠そうにしていた前のご主人しゃまが、突然わたしを
『ちょwwwお前テラ手間がかかり過ぎwwwwww
貴様のような無能なメイドなんか、うちではイラナイですからwwwwwwwww
運が良ければ、物好きなアニヲタ三十路越えチェリーボーイにでも拾ってもらえんじゃねwwwwww
あばよwwwwww』
って言って、あたしを段ボール箱に入れて捨てたのです…」
「それはヒドイ…。
せめて、保健所に預けるとかペットショップに問い合わせるとかすれば良かったのに…」
「…いいんでしゅ。
何も出来ないあたしが悪いんですぅ…
うるうる…」
メイドは、そう言ってうつ向いた。
そんなメイドに、俺は一言。
「…うち、来るか…?
何も無いけど…」
「………………えっ…!!!!
いいんでしゅか……!!???
こんなあたしを…」
「ここで会ったのも、何かの縁だろ。
さぁ、来なよ…」
「ありがとうございます…!!!
ご主人しゃまぁっ!!!」
…これが、俺とメイドの出会いだった…。
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