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「暇すぎ」
アレンは呪文書をパタンと閉じた
図書館は少し湿っていて、古風な匂いがする
白いローブの書士たちが杖を降って本を引き寄せていた
「だからおまえはバカなんだ」
笑いながらシルクが言う
メガネがきらりと光り、再び回復術の全てという本に目を落とした
「おいおい、俺たちが呪文学ぶ意味って何?この平和な世の中で・・・」
「確かにね」
シルクは銀髪をはらった
「でもさ、考えてみな?もし、世界の危機が来たら?アレンなら絶対出かけるだろ?そのとき魔法が使うないやつなんて、相手にされないぜ」
「そんなこと言ったって、どうせ、魔王とか伝説に過ぎないだろ?」
そういうとシルクは笑った
「ふふ、そうかな?少なくとも、僕の意見ではあと1年以内に魔王襲来のうわさがたつよ」
アレンは目を丸くした
「確かか?」
シルクは得意げに言った
「魔王の伝説は知ってるよな?月と太陽が一つになり、世界から魔法がなくなるとき、再び蘇る・・・と」
「ああ」
シルクは続けた
風が二人の横をゆっくり通っていく
「月と太陽が一つになる、これはきっと日食だ。そして、魔法が消える・・・魔法に必要なのは?」
「呪文詠唱?」
「そう、つまり、言葉を表している。思い当たることないか?」
「だれもが黙る・・・?死者の追悼式?」
「そう、それが世界規模ということは、ファルメディア一の英雄、レスブランドの100回忌しかない」
アレンは飛び跳ねた
「すげえ!シルク!すぐ、先生に言おうぜ」
シルクはさみしそうに首をふった
「いや、面白いとはいってくれたけど、16の僕の言葉は重く考えてくれなかった」
「じゃあ、行くしかないだろ」
「え?」
「俺たちで阻止するのさ」
「実はそう言ってくれるのを待ってたよ」
アレンは目を輝かせた
「行こうぜ!冒険に!」
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