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プロローグ
あれは一本の電話から始まった。
梅雨の長引く7月‥‥
俺は大学に入って3ヵ月にして
既に出席日数の危うい科目に出る為バイクを飛ばしていた。
だが雨のせいか、渋滞している。
苛々しながらハンドルを握っていると、ジーパンのポケットに入れた携帯が震えた。
俺は苛立ちを隠しきれず「ちっ」と舌打ちをすると、バイクを路肩に寄せて、鳴り止まない携帯に出た。
「もしもし。
…はい。そうですけど…
……………え………?」
カチカチなるウインカーの音だけが頭に響いて、俺は思考が停止していた。
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