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白いローブのフードからのぞかせる笑顔はレンの知る少女であった
「お…お前…ユキか…?」
ユキは何年も前に村を出て街へ移り住んでいた、それだけにレンは久しい顔に驚いていた
「7年振りなのによくわかったねっ♪レンくん!!」
そういって優しく微笑む姿は5秒後に鬼の形相に変わる
「あ…あぁ…相変わらずの童顔だったからな」
ボコッ…
「ぐほっ」
鈍い音が響き渡る
「…」
無言のままユキは拳を握っていた
その固い拳を顔面に振り下ろされた標的は
「どぉぼじで…?」
小さくそう呻いたと言う…
――――
―――
――
―
「あのね…もうすぐこの村に魔人がモンスターを引き連れて攻めこんで来るの!」
鼻血をだし顔面がさらに痛々しくなったレンは大人しくユキの話を聞いていた
「私の住んでる街で魔人がこの村に向かってるて聞いてね…急遽おじいちゃんと協力して村の皆を避難する事にしたの」
ユキはじじぃと呼ばれる村長の孫娘である。
(なるほど…だからユキが村に帰ってきてる訳か…)
レンは無言で頷いた
「まぁそういう訳じゃ、そこで昨晩から村の皆は避難させとったが、何度も来てもお前は全く起きなんだ…」
レンは顔面の痛みに耐え目には涙を溜めながらじじぃの話を大人しく聞いていた
「という訳でお前が最後じゃ!さっさと村を出る準備をせい!」
「あ…あの~話はわかりましたが…」
レンは何かに怯えていた
「なんじゃ!!!!」
「レンくん分からない事でもあった?」
二人は一斉に答える
「とりあえず…それ…もうやめてくれない?ちゃんと大人しく聞いただろ」
そう言ってレンはオドオドしながら指さした
じじぃの手からはドアを破壊した時と同様の火球が…
そして、ユキは木の杖を木刀のようにして振りかぶっていた
そのどちらも矛先はレンとなっていたのである
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