冴えない勇者

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――3人が村を出て約30分後 「ちっ、この村もハズレかよ」 大きな体を持つ人型の魔物は怒りを露わにしていた 「最近は狩りがまともに出来ねぇなぁ」 その人語を発する口は異様に大きく黒茶色の毛が顔を覆っている その容姿は狼そのものだ 「クズ人間め…大人しく狩られてりゃいいのに…よっ!!」 語尾に力を入れたかと思うと乱暴に拳を無人となった家へと突き立てる その拳はまるで紙のように軽々と壁を突破りバラバラと音をたてて崩れた 「決めた…決めたぞ!次会った人間はグッチャグチャにしてやるッ!クク…ク…クハハハハハ!!」 高笑いする者の後ろには数十匹の影が蠢いている 「お前ら“街”に攻め込むぞ!あの方に街や王国はやめておけと言われたが…もう我慢ならねぇ!目標は“ウァル街”!!!人間狩りだ!!」 そういって歩を進めようとした時…バキッと足元で音を立てる物があった 「ん…なんだこの板…文字が書かれてるな…“レンの…家”…か?」 ニヤりと口を小さく開ける 「ただ狩るのも楽しみにかけるなぁ…コイツを探しながら…ってのが面白そうだ…ククク…クハハハハハ!」 始まりの村に不気味な高笑いが響き渡ったのをレンは知る由もなかった
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