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「昔は…じぃちゃんじぃちゃんと…懐いてきておったのに…今じゃ…」
「おい聞けよ!ク・ソ・じ・じ・ぃ~!」
「そうそう今じゃこんな風にクソじじぃなどと…ん?」
じじぃがレンの言葉に反応したのは8回目の呼掛けだった
「だぁれがっクソじじぃじゃ!」
「おじいちゃん危ない!」
「いつも村長と呼べと…ほへ?なんじゃ…危な…いっぶばあぁぁぁはっ!?」
じじぃの体がくの字に曲がり魂を混ぜ込んだ呻き声を出したかと思うとすぐさま「うぐ…」と小さな声を漏らして折り畳み携帯のようにゆっくりと体が閉じていった
「うわぁ…腹にモロかよ…じじぃ…成仏しろよ…」
「おじいちゃんっ!」
ユキは慌てて駆け寄ろうとするが強襲してきた何かが素早く動いたかと思うとじじぃとユキの間に立ちふさがった
「くっ…回復に行けない!」
そこには…
スライムが1匹…
「しっかしまぁ…よくあるくだりで今更言うのもなんだけど…最弱モンスターの“スライム”の“体当たり”なんかにやられるとはなぁ…」
ニヤニヤ笑いながらレンはじじぃを蔑んだ
「もうっレンくん笑ってないで早くスライム何とかしてよっ!」
余裕の笑みを浮かべていたレンは不意に真顔へと変化する
「すまないトイレにいってくる」
「ちょっ…レンくんっ!」
そういって山道横の茂みに入ろうとする
「ユキ…覗くなよ…」
「覗かないわよ!!…もういいレンくんには頼らないから!!」
(レンくん昔はもっとカッコよかったのに…)
ユキはスライムの前に素早く移動すると木の杖を両手で持ち、胸の前から縦に構えた
「おいおい…杖なんか構えてどうする気だよ」
「どうするって…?こうするのっ!!」
レンの問いに答えながら杖先を頭上に持っていき杖を持つ手に力を込める
「杖特技レベル1…強打!」
頭上から目一杯の力で振り下ろされた杖先がスライムを捉えた
そして見事にペチャンコになり動きを停止した
「…回復魔法に盾魔法…ユキは僧侶系だろ…打撃技まで使えんのかよ…」
スライムは倒れた
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