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生放送の街頭質問でこんな――
『今の発言は貴様か?』
『あら、仕事が早いのね。さすがは国家的ストーカー部隊』
現れたのは、金属製の機械に身を包んだ巨躯だった。
凄まじい魔法力を手にした、即断極刑の執行者。
特殊警察。
取材班は彼の姿を見た瞬間、一目散に逃げ出した。
巻き込まれる。
特殊警察は、一般人を巻き込むことを躊躇しないのだ。
『逃げろォッ!! 特殊警察だぁッ!!』
周囲の一般人たちにも危険を知らせながら、取材班は逃げ走る。
周囲は完全に混乱に陥るが、ふと、班員の1人、撮影者が気付いた。
“破壊音が、しない?”
通常、特殊警察は容赦も躊躇も持たないため、即座に最大威力を撃ってくる。
しかし、いつまでたっても破壊音が聞こえて来ないとは、どういうことだ?
まさかと思い、撮影機を構えて振り返った先――
『だから。あなたのような雑魚には興味ないの』
特殊警察が、音もなく瞬殺されていた。
彼女の足元に倒れた戦闘装甲が、何か強力な衝撃で圧壊している。
しかし、少女は徒手空拳。まさか素手で――
―――!!!!
鈍い激音。金属を殴打した、身体の奥底を掻き毟る嫌音。
少女が高踵靴を踏み鳴らしたのだと、撮影者が気付いたと同時。
特殊警察は、完全に絶命した。
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