第一章

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ドアを閉めて一つため息をつく。 「で、いったいぜんたいどうしたって言うんだ」 「どうしたも、こうしたもないわよ!なんで私が彼にあんなことを言わばくちゃいけなかったのよ」 「彼ってウールだよな?あいつになんていったんだ?」 「“あいかわらずつまんない本を読んでるわね”って」 「お前が!」 ジンジャーが驚いてリンを指さす。 リンはうなずく。 「はぁー。お前がな~」 「何よ。言いたいことがあるならば言いなさいよ」 「ウールの前ではつくって礼儀正しくしていたからな。どんな心境の変化だ?」 「わかんないわよ!今までどおりにしようとしたらこんなふうにいっちゃったのよ!」 「原因は?」 「心境の変化じゃないとしたら?」 「思いつくのはあの液体しかないのよ」 「ああ、昨日飲ませたあの野菜ジュース?」 「そう」 「あれが原因か」 「あ、そうだ。ごみばこ漁っていい」 「なんで」 「包み紙があるはずだからそれから犯人を探す。ゴミ昨日捨ててないよね」  と、言って近くにあったゴミ箱を漁りだす。  中にあるゴミをポイポイ取り出して行くと 「あ、あった」言って、包装紙をジンジャーに見せた。 「それで、どうする気だ?」
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