第一章

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「近所に犬を飼っているうちがあるからにおいを追ってもらうのよ」 「においって、他の人のにおいもまじっているんじゃないか。俺のにおいやリンのにおいが」 おもったことをしゃべったジンジャーにしまったという顔をして目をそむけるリン。 しまったと、彼は思ったが口がずべってしまったものはしょうがないと 「とりあえず、やってみるだけでもやってみたらいいんじゃないかな?何回かやってみればもしかしたらつくかもしれないし」 慰めるように言って肩をたたく。 「そ、そーだよね。もしかしたらあたるかもしれないしね。だったら行こう、ジンジャー」  リンは、彼の言葉に思い直したのかそういって彼の手を引っ張った。 「ちょ、ちょっと待てよ。俺も行くの」  「何言っているのよ。友人のピンチなのよ?助けてくれるのが友情でしょ」 「そうはいっても、おれ畑仕事が・・・・・・」  「畑仕事と、私どっちが大事なの」 「・・・・リン、俺の奥さんじゃないんだからさ~」 「どっちが大事?」  「畑仕事」 「・・・・・・・・」 「当り前だろ」 「あー、あー。そういう人よね。ジンジャーは」  ――――やばい。リンがすねた。こうなると長いんだよな。  ジンジャーは内心うんざりとした。これを長々と聞くことに嫌気がさして 「わかっ.た、わかった。協力するから。おれは何をすればいい」
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