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「………ええ」
二人は笑いながら会話を続けたが、
「あっ、いけない。手紙を届けなきゃ」
思い出したように慌てて駈け出す。そこへ
「あ、リンさん」
「はいっ」
「仕事、がんばってくださいね」
ウールが笑顔で言ってくれる。
「……はい」
と叫んで駈け出した。
これが彼女、リンの生活であり日常であった。
それが変わる日が来るなんて誰も考えていなかったのだ。
*
「こんにちは」
リンはいつもどおりに仕事をして今日最後の手紙を届けにやってきていた。
場所は農場。
届け先は自分の友達、ジンジャー・ベルハントのところだ。
スポーツ刈り風の黒髪にサファイヤ色の瞳で農場の子どもながらかなりの美形の類に入り、女の子にもてている。
彼に届ける予定の手紙はすべて女の子からのものだ。
農場の子どもというのはマイナスにはならないらしく、ざっと見積もって百通はくだらない。
「よかったら、家によれよ」
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