第一章

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とのジンジャーの言葉に甘えて彼の家に寄った。 「相変らずすごい数の手紙ね。アフェンナ大陸の子からも来ているからあたりまえだけど」 「あはは。まあな。おかげで嫁の心配はいらないねと家族からも言われているよ」 「それって、家族からも皮肉を言われているってことよね」 「うーん。すべてはこんなかっこいい顔に生まれた俺が悪いのかもな」 などと笑いながら紅茶を用意するジンジャー。 リンは、とりあえず彼あての手紙をカバンから取り出して近くにあったテーブルに卸す。 ―――あ~、おもかった。いつもながら彼の荷物を運ぶのは肩が疲れるわ。 思いながら椅子に座りながら手で肩を抑える。  その様子を見ていたらしいジンジャーから  「つかれたか」  と聞かれてしまう。私は皮肉げに  「当り前でしょ、ジンジャー。あなたの荷物だけでどれくらもながら彼の荷物を運ぶのは肩が疲れるわ」 と言い放つ。彼は苦笑を浮かべるだけだ。  「ほれ、お待たせいたしました。お嬢様」  ジンジャーはいれたての紅茶と農場でとれた野菜を彼女の前に置く。 「相変らす、おいしい」  「そりゃどうも」 「もしも農場の子どもに生まれなかったら、おいしい紅茶の喫茶店オーナーなんてよかったかも」  「はははっ。そうなったら、一年中女の子であふれていて俺的にはハーレムだったな。・・・・おしいことしたかも」
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