第一章

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ジンジャーはたたかれたところをさすりながら笑顔をリンに向けた。  ふと気がついたようにパタパタと体中をさわり、彼の上がら降りて  「鏡借りるね」  と言って、壁に掛けてある鏡に自分を映ししばらく見つめていた。  「な?何にもなかっただろ」 にこにこ笑顔をむけるジンジャーに向かいリンはもう一発今度はげんこつをくらわした。   +   その日は、結局あまりにも遅いジンジャーを呼びに来た母親の乱入により終わった。  次の日。  リンがいつものように配達をしていると歩きながら本を読むウールを見かけた。  慌てて服をはたき髪形を確認して声をかける。が、  「相変わらず、つっまんない本を読んでいるようね。エディ」  こんな言葉が出できた。彼女は驚き、訂正の言葉を吐こうとするがそれとは裏腹に 「そんな本ばっかり読んでいるから頭でっかちなのよ。まったく。本当につまんない男」  とリンは言う。しかも、クールの前だというのにも関わらず腕を
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