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麗らかな空。
小鳥の歌う様なさえずり。
窓に引いたカーテンの隙間からちょっぴり洩れる三月下旬の暖かな陽射し。
「おっきろ────!!!!」
そんな穏やかな春の朝と、女性のきれいな声にしては、どう頑張っても似合わぬ膨大な声量によって俺、篠原暢晃(シノハラ ノブアキ)は叩き起こされた。
もう十何年も前から聞いている聞き慣れた幼なじみの怒号が響き渡る。
それによって、それなりに厳しい高校のお受験戦争に打ち勝ち、享受できている俺の平穏無事な春休みの惰眠は、早くも妨げられてしまった。
まあ打ち勝てたのは彼女の功績によるものが大きいのだが。
そんな長年一緒に居る幼なじみだとしてもだ。寝起きのだらしない顔を見られるのは少し抵抗がある。
しかし、起こしに来てくれた手前、顔を出さないわけにもいかないので、まだ眠い眼を擦りながら朝定番の「おはよう」と、挨拶をする。
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