プロローグ

3/31
前へ
/57ページ
次へ
「おはよう」 と、普段よりも幾分か愛想のいい挨拶を返してくれた目の前にいる美少女さんは、常磐千草(トキワ チグサ)。俺の自慢の幼なじみだ。 容姿端麗、頭脳明晰と三拍子の内二拍子も揃っている上に、中の上ほどの運動神経。 さらに、料理もできるし、発育もそこそことくればモテるのなんの。 強いて欠点を挙げるならば、異性に対しての対応がキツい事だろうか。 しかし、中学校だけで告白された数、数知れず。 ぶった斬った数も、数知れず。 ただ、分かっていることは告白された回数と断った回数が同じということ。 長年一緒にいるけれども男の影を欠片も見たことがない。 むしろ、俺が長年一緒にいるから男の影を見たことがないのかもしれないが。 なんでそんな欠点らしい欠点の見当たらないような美少女さんが、俺の事を起こしに来ているのか羨ましく思うだろうがそこは家庭の事情が関わってくる。 こんな言い方をすれば重苦しい話のように聞こえるが、重苦しい事情ではない。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加