君の、笑顔。

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 「できた」  角切りしたチョコレートを色とりどりの袋とリボンを使ってラッピングした。これでよし、完璧だ。セイの笑顔がまた見られると思ったら、自然と頬が緩んでいた。僕はそれを冷蔵庫にしまい、丁寧に閉めたら、どっと疲れが出てきた。時計を見たら、朝の4時を回ったところだった。  僕は足音を忍ばせて自分たちの部屋に戻った。2段ベッドの下にはセイがすやすやと寝ている。その寝顔は安らかで、僕は幸せになった。ベッドの上段に上がるはしごをなるべく音を立てないようにして登る。そしてベッドに倒れこんで、泥のように眠った。
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